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<JP>鍼灸師業界の歴史とこれからの鍼治療は?女性鍼灸師が伝えるリアルストーリー


さわ鍼灸院では、女性鍼灸師による女性のための鍼灸治療を提供する。福岡県久留米市に開業して7年目。日本の伝統医療である鍼灸の歴史から現在の様子までお話しを伺いしました。


鍼灸師が、医者として活躍していた。

池田:昔の医者、時代劇で出るような医者は、鍼灸師であり、漢方薬を作り、処方することが主流でした。いわゆる中国から伝わった伝統の技術が日本で独自の発展を遂げ、その技術を持って治療をしていました。


鍼灸師は、病気の診断書、薬の処方箋は出せない。

池田:鍼灸は医療と言っても、西洋医学のように診断を伝えることや、薬を処方することはできません。

今の患者さんの症状にあわせてその場で処置をします。


ーー 鍼灸は昔から日本に伝わってきて、

西洋医学より根付いていたはずですが、なぜ鍼灸師は診断や処方箋を出せないのでしょうか?

池田:明治政府ができ、「西洋医」という区分けができました。

今の日本の医学部、病院は西洋医のことを指します。鍼灸師は、それと対になる「漢方医」と名称で呼ばれます。そのため、今の病院のような資格はなく、診断をしたり処方箋を出したりはできません。


そして、歴史を紐解くと、もともと日本の鍼灸は目の見えない人の職業として広がった背景があります。福祉と切っても切れない縁がありますね。江戸時代以前は、琵琶法師、三味線と言った音楽の分野を中心に、目の見えない人が就くことができる職業がありました。


それが江戸時代になると、主に揉み療治(あんま、指圧を含む)として、そこから鍼灸へと移行し、鍼灸は視覚障害者の方のための職業として発達してきました。当時の日本では福祉として目の見えない人もご飯が食べていける環境がありました。


徳川家のお抱えの人であった杉山検校という権威的な存在もあり、鍼灸はそれほど、職業として地位を確立してきました。


中でも「検校」という職は、個人の鍼灸師としてだけでなく、鍼灸師をとりまとめ、今で言う職業学校の運営から仕事の斡旋まで担っていました。鍼灸業界では人材育成から職業紹介までしっかりとしたシステムが既にできていました。


そこまで福祉が発展した背景には、当時、治療法が見つかっておらず目が見えなくなる病気がたくさんあったという事情があり、小さい頃に病気を患い視力を失うことや、出産時に目が見えなくなることも多くありました。


ーー 何かしら人生の途中で障害を患うことが当たり前だった?

池田:そうですね。そこで視覚障害者なら手の感覚や聴覚を活かして自活できる道やシステムが江戸時代にあったのは凄いことだと思います。


ーー なんだか、今とは違いますね。

池田:障害者のあり方もいろいろ、時代によって良い面、悪い面がありますよね。現在は、視覚障害者の鍼灸師は減ってきています。医療行為として見たときに、目が見えない人が医療をする時、したところから血が出ているのが見えず、誰か他の人がサポートする必要があります。

昔は、視覚障害者の人は、職業を選ぶことがほとんどできませんでした。鍼灸や医療に興味がない人も鍼灸按摩マッサージ師にならざるを得なかったのです。そうなると業界全体では、医療の質が保ちづらいものです。


過渡期を迎えた鍼灸師業界

現代では医療が発達し、出生時や小児期に視覚障害になるケースはかなり減り、視覚障害の原因は糖尿病などの生活習慣病がトップです。こういった人たちも、パソコンなどのIT技術の発達のおかげで職業選択の幅が広がっています。

それに鍼灸師は国家資格ですから、勉強は難しいです。福祉としての職業の役目も変化し、視覚障害、晴眼者(目が見える人)関係なく、ほんとうに鍼灸や東洋医学に興味をもって鍼灸師やあんま指圧マッサージ師になる人が増えていっています。こういった変化を見ていると、今は業界の過渡期かなと思います。

ーー 池田さんが思う鍼灸師はどんな存在でしょう?

池田:鍼灸師は、患者さんの人生のサポーターですね。スポーツトレーナーのように、プロフェッショナルとして知識と技術を持ち、患者さんの人生の中で生じた不調に寄り添います。東洋医学では、患者さんの持つ自然治癒力を、私たちが与える刺激で高め、病気を治すという考えです。あくまで患者さん本人が治します。これからは、鍼灸をもっと色んな人に知って欲しいですね。



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オーナープロフィール

池田沢子さん

「女性のための鍼灸 さわ鍼灸院」を開業し7年目。

フィンランドで日本人鍼灸師に出会い、帰国後、鍼灸師となる。

女性のための鍼灸を提供し、女性の抱える体の不調の改善や、不妊治療をサポートする。鍼灸院を経営する一方で、専門学校にて授業を持つ。

福岡県久留米市中央町38−23ユーズビル42


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